島の教会 しまおと

敷地は大阪から車で2時間程度の淡路島サンセットビューホテル「けひの海」。
当初オーナーからの依頼内容はホテルの内装をデザインすることでした。
しかし、実際に現場で確認したところ内装の状態はそれほど悪くはなく、この場所に本当に必要なのは、より多くの人に訪れてもらうための新しい価値を生み出す策ではないかと考えました。

そこで私たちが目をつけたのは、敷地内の大きな庭と、絵になるプール。さらに海を臨むロケーションが、沖縄のリゾートウェディングを想起させました。すぐさまウェディングプロデューサーと連携し、ウェディング会場を提案することとなりました。

コンセプトは、開放感のある広い庭とレストランを使ったパーティウェディング。
今あるもの以上に余計なものは作らず敷地内にはチャペルだけを新設する、というシンプルな提案になりました。

周辺エリアにあるのは白いチャペルばかりだったため、内外ともに木の仕上とし、床材には地元の淡路瓦を使用。シンプルな造形で温かみのある「牧歌的」な雰囲気を表現し、気心の知れた人たちだけのプライベートなウェディングの場を目指しました。
海が見えるロケーションで花嫁が歩けば、素晴らしい絵を写真に収めることもできます。

こうしたコンセプトが形になり、けひの海は、年間に50組以上の結婚式が行われる場所になりました。
加えて、結婚式後の二次会では屋外のテラスと屋内のレストランを利用し、終了後にそのままホテルを利用する方も多く、施設全体の稼働率が向上する結果になりました。

当初の依頼内容はホテルの内装のデザインでしたが、新たな価値を新たに生み出すために企画段階から関わることになったプロジェクトでした。